ご挨拶
京大脳神経内科のホームページへようこそ。
(2018年6月から神経内科は「脳神経内科」と名称新たにスタートしました。)
現在の脳神経内科は問診と症候学に基づく神経学的診断法が中心的役割を果たす、伝統の重んじられる臨床科である一方で、難治性神経疾患や高次脳機能のメカニズムの解明といった神経科学の先端的な課題を担う研究科という側面も持ち、極めて多彩な広がりを見せています。このような中で、これからの京大脳神経内科は伝統を大切にし、トップレベルの臨床を維持しながら、研究面では現代神経科学の成果を取り入れ、常に新しいものに挑戦し、臨床を豊かにする努力をしていかなければならないと思います。
当科は初代亀山正邦教授、2代目木村淳教授、3代目柴崎浩教授の時代を通じて臨床の充実を何よりも重視し、研究は臨床から湧き出た疑問を解決するために行うという姿勢を一貫してとって参りました。その結果、脳神経内科のさまざまな専門領域で日本を代表する多彩で個性的な人材を輩出してきましたし、今後もその姿勢を堅持してまいります。
本格的な少子高齢化社会を迎え、アルツハイマー病や脳血管障害の診療の担い手となる脳神経内科医への期待はますます高まっております。また一方で、分子神経生物学的知見に基づいたパーキンソン病やALSなどの神経変性疾患に対する神経保護治療、神経再生治療が現実味を持って語られるようになりました。20世紀を遺伝物質としてのDNAの発見に象徴される「生物学の世紀」とするならば、21世紀は基礎医学と臨床医学が融合し、革新的治療の生まれる「医学の世紀」になるものと予測されます。時代の要請に応えるべく、「神経疾患の克服」を教室の目標として脳神経内科学を発展させていきたいと思います。
名誉教授