2006年4月以降に当院で脳波検査を受けられた患者さんへ
対象研究名:臨床脳波データを利用した脳疾患の病態および生理的脳機能の解明
研究の目的
脳波検査は、てんかんを含む様々な脳の病気において、診断、病状の判断などに欠かせない検査です。近年、脳波データを用いた様々な解析方法が発達しており、診療上の必要性から記録された脳波データを利用することで、新たな負担を与えることなく、てんかんを含む脳疾患の病態、さらには生理的脳機能の解明を行うことが本研究の目的です。
研究の方法
診療の一環として、2006年4月以降に京都大学医学部附属病院で脳波検査を受けられた方を対象としております。記録された脳波データ(脳波と同時に記録された心電図、眼電図、筋電図、ビデオ記録を含む)を複製し、波形を見て判断したり、コンピュータで計算処理を行います。脳波検査には、通常の脳波(覚醒脳波、睡眠脳波)検査、長時間ビデオ脳波、頭蓋内脳波記録が含まれます。
期待される利益と起こりうる不利益
対象者本人には直接の利益はありません。ただし、難治部分てんかん患者さんにおいては、本研究結果が、1) てんかん発作の発生源(てんかん焦点)、2) 運動・言語機能などに必要な脳の領域が、それぞれ脳のどこにあるか知るのに役立つ可能性があります(てんかんの手術では、てんかん発作抑制のためてんかん焦点がどこか、焦点切除術後の障害を防ぐため脳機能をもつ領域がどこにあるかを知ることが重要と考えられます)。診療の一環として施行された脳波検査のデータを利用するため、対象者本人に不利益はありません。
重篤な有害事象への対応
診療の一環として施行された脳波検査のデータを利用するため、有害事象はありません。
この研究への参加について,参加・離脱の任意性
あなたがこの研究に参加するかは自由であり、参加されなくても一切不利益は生じません。また、いつでも、この研究への参加拒否ができます。参加に御協力頂けない場合、あるいはご質問がある場合は、下記の問い合わせ窓口にご連絡下さい。また、この研究により、個人に余分な医療負担がかかることはありません。他の患者さんの個人情報保護や当該臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲で、当該臨床研究計画及び当該臨床研究の方法に関する資料を入手又は閲覧することができます。
プライバシーの保護
この研究は倫理委員会の審査を受け許可を受けたものであり、得られた結果は、専門の学会や学術雑誌に発表されることもありますが、あなたのプライバシーは十分に尊重されます。結果発表の際には慎重に配慮し、個人に関する情報(氏名や顔など)が外部に公表されることは一切ありません。実際の解析には個人に関する情報を削除したデータを用いて、データがどなたのものであるかを示す対応表は別にして厳重に保管致します。
試料等およびデータの保管
資料およびデータは約10年間保管します。データを破棄する際には、紙面は裁断機にかけ、磁気もしくは光学データについては消去します。
費用および謝礼について
診療の一環として施行された脳波検査であり、追加でかかる費用および謝礼はありません。
特許権等について
解析の結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利は共同研究機関および研究遂行者などに属し、あなたには属しません。また、その特許権などを元にして経済的利益が生じる可能性がありますが、これについてもあなたには権利はありません。
研究資金
文部科学省からの研究助成金によって調達されます。提供者と研究者との間には利害関係はありません。
他の研究機関へのデータ提供
本研究は、高度な計算処理を行うものであり、共同研究機関として倫理委員会に申請した機関に個人情報を特定できないデータ形式にしてデータ提供を行う場合があります。
問い合わせ等の窓口
京都大学 神経内科 第3・5研究室
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
TEL:075-751-3772/3774
E-mail:daifuma\kuhp.kyoto-u.ac.jp(E-mailは、\を@に変えて下さい。)
担当者:池田 昭夫、特定教授(てんかん・運動異常生理学)
担当者:大封 昌子、大学院生(臨床神経学)
京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛 TEL: 075-751-4899 E-mail: trans\kuhp.kyoto-u.ac.jp(E-mailは、\を@に変えて下さい。)
2016年8月 京都大学 医の倫理委員会承認