お知らせ
京都大学大学院医学研究科脳機能総合研究センターで撮像された画像データを、研究に提供させていただくことにあたっての情報公開について(令和3年6月15日)
対象研究名:Parkinson病及びAlzheimer病ディメンジョンを対象とした包括的神経画像研究
(通称: PADNI: Parkinson’s and Alzheimer’s disease Dimensional Neuroimaging Initiative)
対象者の選択基準 京都大学大学院医学研究科脳機能総合研究センターにおいて、7テスラMRIを用いた研究C1143「7T-MRI装置による臨床応用に向けた高度計測基盤技術の開発」にご参加いただいた方。 研究目的・方法の概要 高齢化の進む日本では、2025年には認知症の患者数が約700万人に達すると見込まれます。65歳以上の方の約10人に一人が認知症を発症し、その半分以上がアルツハイマー病です。また、60歳以上の約100人に一人がパーキンソン病を発症します。パーキンソン病は身体が動きにくくなる神経系の変性疾患です。アルツハイマー病とパーキンソン病の最大の危険因子は加齢です。ほかに共通の前駆症状や危険因子も多く存在することもわかってきました。たとえば、両方の病気に先立って臭いがわかりにくくなることがあります。パーキンソン病は身体が動きにくくなる病気ですが、進行期やパーキンソン病と関連の深いレビー小体病では深刻な認知症や精神症状を示します。 ただ、アルツハイマー病とパーキンソン病の症状の原因となる脳の回路の不調が、同じであるのか、異なっているのかはよくわかっていません。今回の研究では、磁気共鳴画像(MRI)を撮影し、詳細な解析により、アルツハイマー病とパーキンソン病の成り立ちの共通点ならびに相違点を理解することを目的としています。また、MRI以外に、今までに知られているアルツハイマー病とパーキンソン病の前駆症状や危険因子をお持ちであるかも調べます。アルツハイマー病とパーキンソン病をお持ちの方に加え、それぞれの病気の前駆症状や危険因子を持っている方とそうでない方を、一定期間(3-5 年)追跡することで、初期に起こる脳の状態の変化について手がかりを得たいと考えています。このことにより、将来的にアルツハイマー病とパーキンソン病の早期発見法、ひいては早期治療や根治法につながる大事な知識が得られると考え研究の計画を立てました。 なお、この研究で取得されるデータは、過去に多数の方から撮像されたMRIや付随する臨床情報と合わせて収載する大規模なデータベース(国際脳データベースセンターないしこれが指定する機関によって管理・運営されるデータベース)の一部として、今後、アルツハイマー病とパーキンソン病の病態解明研究を創出・推進するための基盤として活用させていただく予定です。さらには、ヒトの高次脳機能や神経発達の理解、精神・神経疾患に関する研究の際に、他の霊長類のデータとの比較が重要であることが認識されつつあり、本研究ではその第一歩として、磁気共鳴画像装置(MRI)で撮像されたヒトおよび霊長類(マカク・マーモセット)の脳画像とこれに付随する臨床情報を多数例収載したデータベース構築を目指します。 また、この研究の知的財産権は研究参加者ではなく、この研究を行なっている研究機関・研究者に帰属することをご理解ください。 研究期間 本学倫理委員会承認日より2024年3月31日までまでの予定です。 提供する資料・情報の項目及び利用する者の範囲 ご協力いただいた神経心理検査のデータおよびMRIのデータに関して、個人を識別できないようにした後、共同研究機関内でのデータベース構築のために、共同研究機関である国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)脳病態統合イメージングセンター(IBIC,研究代表者:花川 隆 部長)、京都府立医科大学(研究責任者:水野敏樹 教授)、福島県立医科大学(研究責任者:宇川義一 教授)、理化学研究所 (研究責任者:林拓也 ユニットリーダー)、放射線医学総合研究所(QST)(研究責任者:徳田隆彦)は、個人を識別できないようにしたMRI画像データ、血液や髄液の一部とそれに伴う臨床情報をやりとりし、共有いたします。加えて、京都府立医科大学(研究責任者:水野敏樹 教授)には、同様の目的で、血液および髄液検査の情報もやりとりし、共有いたします。なお、個人を特定できる個人情報を共同研究共同機関に送ることはありません。研究のための情報利用に関しては、研究組織内で行いますが、臨床研究の関係者(研究責任者により閲覧の許可を受けた担当者)、研究関連機関および倫理委員会があなたの情報を閲覧する場合があります。ただし、これらの関係者には秘密を守る義務を課されていますので、あなたの個人情報が悪用されることは決してありません。 本研究の実施体制、研究機関の名称及び研究責任者の氏名 研究代表者; 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージングセンター 先進脳画像研究部 研究責任者の氏名:花川 隆 京都大学における研究責任者/情報管理責任者: 京都大学大学院精神医学講座 村井 俊哉 研究協力者; 京都府立大学 研究責任者 水野 敏樹 教授 福島県立医科大学 研究責任者 宇川 義一 教授 理化学研究所 研究責任者 林 拓也 ユニットリーダー 放射線医学総合研究所(QST) 研究責任者 徳田 隆彦 医長 個人情報の取り扱いに関して 被験者情報は匿名化します.研究成果を学会や論文で発表する際にも,完全に匿名化します.匿名化を条件に、研究期間終了後もデータを保存し、学術研究に活用します。 利益相反に関して 本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構 戦略的国際脳科学研究推進プログラム「先進的MRI技術に基づく総合データベースと大規模コホートデータの連結による高齢者神経変性疾患の責任神経回路の解明」により行います。これら資金の提供者は、研究の企画、運営とデータの管理・解析には関与致しません。利益相反については「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査をしています。 本研究に関して、お問い合わせいただくための手段について 本研究に関して、問い合わせが可能なように、本研究の内容、実施者、問い合わせ先について京都大学脳神経内科ホームページ内に掲載いたします。 研究や個人情報に関する問い合わせや、研究への利用停止、研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧を求められた場合には、研究対象者でいらっしゃることを確認させていただいた上で、他の研究対象者の方の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内に限り、速やかに対応いたします。この研究にご自身のデータを利用されたくない方のデータは解析から削除しますので、下記窓口までお知らせください。 研究機関名・責任者 京都大学医学研究科 精神医学講座 村井俊哉 問い合わせ等の窓口 本研究課題の相談窓口: 京都大学医学研究科臨床神経学(脳神経内科) 島淳 澤本伸克 (人間健康科学系専攻) (tel) 075-751-3111 京都大学の相談窓口: 京都大学医学部附属病院 相談支援センター (Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan[at]kuhp.kyoto-u.ac.jp 本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けています。 E-mailは、[at]を@に変えて下さい。 |